●授賞事由
余市町出身。北海道小樽潮陵高等学校、北海道教育大学函館校卒業。北海道教育大学大学院教育学研究科修了。
長年にわたり、小・中学校教諭として音楽科の学習指導に優れた実践を重ねて成果を広く普及し、音楽教育の質の向上に尽くした。生涯にわたって音楽に親しむ子どもを育成するため、効果的な授業改善に取り組み、その成果を専門紙や学会などに執筆・発表。また、文化庁文化芸術育成事業の企画・推進に携わり、東京フィルハーモニー交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、新国立劇場合唱団、京都片山家能楽、日本三曲協会などを招聘し、質の高い音楽を地域に普及させる中心的な役割を果たした。音楽教育の実践が評価され、令和2年度北海道教育実践表彰、令和3年度文部科学大臣表彰を受賞。
吹奏楽の指導において、勤務した小・中学校では、東日本学校吹奏楽大会で3回金賞、日本管楽合奏コンテスト全国大会で3回最優秀賞、3回審査員特別賞を受賞。北海道教育大学函館校吹奏楽団では、全日本吹奏楽コンクールに8回出場。同団の演奏会では、吹奏楽の芸術的価値を生み出すことを目指し、吹奏楽界で活躍する指揮者や作曲家を招聘し、作品の委嘱及び初演等を行うなど、吹奏楽の普及・発展に寄与している。
現在、北海道教育庁渡島教育局教育支援課義務教育指導班指導主事。北海道教育大学函館校吹奏楽団音楽監督・常任指揮者。
◯函館音楽協会HPより転載
函館音楽協会では毎年「受賞記念演奏会」を実施しており、2025年5月25日(日)、函館市芸術ホールで開催された「令和6年度函館音楽協会賞受賞記念演奏会」へ三笠先生が招待され、当団の演奏にて記念演奏を行って参りました。
記念演奏では全5曲を披露。
- 吹奏楽のための「クロス・バイマーチ」
(三善晃・第40回(1992)全日本吹奏楽コンクール課題曲 C) - マーチ「カタロニアの栄光」
(間宮芳生・スペイン・カタロニア生まれの建築の鬼才「ガウディ」に捧げられたマーチ) - Thawing(下田和輝)
- Edelhof Sketch(下田和輝)
- Glorious Edo(John R. Graham:作 / 下田和輝:編)
演奏曲の中で「Thawing(ソーウィング)」は下田和輝氏が作曲され、アメリカ・シカゴで開催された第78回(2024)ミッドウェスト・クリニック主催「バーバラ・ビュールマン作曲賞・中学校バンド向け作品部門」で第1位を受賞した作品で、当団OGが下田先生の奥様とのご縁も有り、楽譜提供をいただいただけではなく、日本初演と言う大役を務めさせていただきました。
「Thawing」とは「雪解け」という意味で、下田夫妻の故郷である岩手や北海道といった雪国の、厳しい冬から春の訪れへと変化する風景を盛り込んで作曲されました。
◯Shimoda-Kazuki.net / 下田和輝 公式ウェブサイト
◯ミッドウェスト・クリニック
また、下田先生が作曲・編曲に携われた「Edelhof Sketch」や、「Glorious Edo(NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」メインテーマ)」も演奏させていただき、来場者から盛大な拍手を受けることができました。
「Thawing」の演奏では、日本初演の機会をいただけたことに団員一同とても嬉しく思うと共に、本番前日には下田先生が来校され、作曲者自ら直接ご指導いただけると言うとても貴重な経験もあり、曲への解釈が一層深まったと感じております。下田先生、本当にありがとうございました。
今回、当団の音楽監督・常任指揮者の三笠裕也先生が、栄えある賞を受賞されたことは、団にとっても、とても光栄の至りであり、また三笠先生に少しでもお役に立てたことが誇らしく思います。三笠先生、心からお祝いを申し上げます。おめでとうございました。
当団としても、今回、このような栄誉ある場で演奏させていただけたことに、重ね重ね心から感謝申し上げます。改めて団員一人一人が音楽へ真剣に向き合うことができました。
来年、当団は創立50周年を迎えます。これまでたくさんの諸先輩方々が積み上げきた歴史あるこの団が、さらに良い音楽をお届けできるよう、そして地域の皆様をはじめ、先生方、OB・OG方々による支えがあり「今がある」という感謝の気持ちを忘れずに、これからも努力を重ねて参ります。
今後とも、当団を応援のほど、よろしくお願いいたします。
また創立50周年では、記念演奏会や祝賀会も予定しておりますので、たくさんのOB・OGの方々にお会いしたいと思っております。
なお、今回演奏した下田和輝先生の3曲につきましては、まもなく動画がアップされる予定ですので、いましばらくお待ち願います。
北海道教育大学函館校吹奏楽団
団長 浦 上 彩